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■今日の家づくり_02

今回の「今日の家づくり」はキッチンの衣替えについて
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我が家の食器棚。おそうめんや冷奴が恋しくなるのは6月頃かな?鍋の小鉢や土っぽい食器が引っ込んで、蕎麦チョコや豆腐ざる、硝子の器が登場します。
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冷たいトマトやマリネサラダは器ごと冷凍庫で冷やしてから食卓に。涼しげにして夏感を楽しめるのは器の活躍があってこそ。

まだ暑い日が続いていますが、秋の味覚が恋しい9月。そろそろ器の衣替えをしようかな、いやもう一回おそうめん食べよかな
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夏の名残り惜しさと、秋の食欲とが、限られた食器棚スペースでせめぎ合います。
他にも建具を取り替えたり、マットを取り替えたり、小さな衣替えでも家の空気が変わりますよね。これも立派な家づくりだと思います。

12月には器と雑貨の「さいえ」さんとコラボ展を予定しています。
それまでの間、2人が思う「今日の家づくり」をぼちぼち配信していきます☆


# by morizo-archi | 2016-09-11 01:29 | 今日の家づくり | Comments(0)

「例えばこの木」 05

[淡々と。それがかっこいい。]
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「きゅいんきゅいんきゅいんきゅいん、ル」
まっすぐに近づいてきて真上で旋回することなく止まるのです。
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ライトを点灯して場所を知らせます。が、上空3、40メートルです。ホントにこれが目印になるのでしょうか?
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間髪おかずにロープが下りてきます。
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迷いなく真っ直ぐに降りてくるのです。それもなかなかのスピードで。リモコンで動かしているわけでも、コンピューターで制御しているわけでもないのですが、信じなれない正確さです。この日は35mのロープ。ヘリの位置だけが下すポイントを左右するのです。どんな訓練をしたらこんな神業ができるようになるのでしょうか?
アカギさんのこの技術。「自分の会社のこと褒めるのなんかあれやけど、これはホンマにすごいとおもうゎ」と、ものすごく照れながら西田さんが言いました。ロープの先に筆を持たせたら字が書けるのではと思えるほどだそうです。
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見ました?
・・・・も一度見てみましょう。
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合図しました。
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ロープ降りてきました。
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ワイヤー装着して離れます。

・・・・ね。見ましたよね。西田さんほぼ動いてないでしょ。合図から離れるまで、同じ場所に立ったままです。何度来ても毎回すごい精度なのです。

普通のことのように淡々と流れるように作業を進める西田さんと機長。地上と上空はトランシーバーでわずかに言葉を交わすだけなのです。その距離を埋めるのは信頼できるお互いの技術。ほんとにすごいなーと感動してしまうのです。かっこよすぎて惚れてしまうじゃありませんか。(つづく)
Morizo-内田
森林・林業地案内 http://morizo-archi.com/soza-tour-forestry.htm

# by morizo-archi | 2016-09-09 07:00 | 「例えばこの木 大黒柱のヘリ出材」 | Comments(0)

「例えばこの木」 04

[ヘリコプターを使うワケ]
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あ、来た。今度こそ。
へたな写真を撮るか、肉眼にしかと納めるか、迷います。
ヘリは姿が見えず音だけが近づいたと思ったら急に現れます。どうしてここがわかるのだろう?
何やら赤い紐がすうぅぅーっと下りてきて、先っちょに大き目のアメフトヘルメットのようなものがくっついています。
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ヘリが見えてから、アメフトヘルメットが地上に下りてくるまで数十秒という感覚です。
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それを西田さんがキャッチして丸太をくくっているワイヤーを装着します。
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と同時に、さっとその場から離れるのです。この一連の作業はとっても円滑で、ごく普通に、流れるように行われているのですが、良く考えるとすごいことな気がします。
事前にどっちに逃げるかは確認しているようですが、その瞬間に丸太は中に舞い上がります。怖くないのかな?ワイヤーが外れてしまうことはないのかな?機長さんは西田さんが見えているのかな?いろんな疑問が沸いてきます。
このヘリ出材は昭和40年代から行われていたそうで、吉野では珍しくない出材方法です。急傾斜の多い地形と密植間伐伐採がこの方法を選ぶ理由になっています。吉野では植林するときに他産地よりもつめつめに植えます。(8千~1万2千本/ha)100m×100mのスペースに1万本。ざっくり言うと畳1枚に2本です。他産地では畳1、2枚に1本程度ゆったり植えてすくすく育てます。吉野では1本当たりのスペースが狭いので太くなるのに年月がかかるのですが、その分年輪が細かく、足元と頭のてっぺんの太さに差の少ないスラーッとしたべっぴんさんが育つのです。元々吉野材は酒樽を作るのに適した材として発展しました。節があってはお酒が漏れてしまうので無節の子を育てることに精を出したのです。
その方法はまたの機会にとしますが、そうして手塩にかけた良材を、望まれたタイミングで一本一本吟味して、お嫁に出すのです。皆伐はしません。みんな伐ると書いて、「かいばつ」と読みます。ひと山全部を一斉に伐るなら、下から順番に出したり、道を作って運んだり、電線のようなワイヤーを設置して下したりできますが、ここではそういった方法をとりません。
もっと育てるいい子を残しながら、今のタイミングでお嫁に行くべき子を選びます。吉野では残す子も、出す子も、傷なく運ぶルートとしてさまざまな理由から空中を選んでいるのです。

なのでこの地域では出材事業がメインのヘリコプター会社が成り立っていたのです。ヘリ出材を初めて知った10年前はそんな理由など知る由もなく、ただ「すごい!」、「カッコいい!」と反応してしまっていたのです。(つづく)
Morizo-内田

# by morizo-archi | 2016-09-08 08:00 | 「例えばこの木 大黒柱のヘリ出材」 | Comments(0)

「例えばこの木」 03

[ヘリ事情と職人さん]
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ヘリ、やっと見えた!
何とか尾根まで這い上がって、やっと伐採現場に着きました。もうクタクタです。山守さん達はこの登山の後、力仕事をするのです。信じられません。
中井さん達は少し先の方で作業をしている様子。「お疲れさんー。よーこれたなー。」いつもの明るい笑顔です。「ちょっと急遽向こうの現場までいかなあかんようになってん。でも間に合ってよかったわ。」待っててくれたんです。申し訳ない。
「もう、ええようにしといてや」と職人さんに言い残して軽快に去っていく中井さん。何があったんだろ?
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先週伐ってもらった大黒柱。これだ。間に合った!
でも周りにあった木はもうなくなってて、運び終わっているようです。
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きょろきょろしてるといつの間にかヘリが来ていて、少し向こうにいる職人さんは何かを持っています。瞬く間にヘリが去っていきました。一瞬の出来事です。え?
「玉掛」の様子やその方法が全く見れず、目の前を大きな丸太が吸い上げられて行きました。なんて素早い、、、、。感動の一瞬をカメラに納めたかったのにあっという間にチャンスは過ぎていきました。
恐る恐る職人さんに話しかけてみます。まだ来ますよね?ヘリ。「おぉ、ちょっと間ーあくけどな」・・・・会話が終わる。怖い人かな?リュックから缶コーヒーを出して渡してみます。「おぉ、ありがとうー。」サングラスの中の目が笑ってってほっとしました。
すいません、段取り狂わせてしまったんとちゃいますか?「いやー、かまへんー。一生にいっぺんのことやもんなー。大黒柱。」私を施主と思っているみたい、、、、。
私の家のじゃないんです。設計させてもらっただけなんです。「すごいやん。設計士さん?」木こりさんの方がよっぽどすごいです。ヘリが来るまでしばし待ちます。
今日は2箇所からの出材で、いつもの職人さんが来れなくなったため両方を一人で見ないといけなかった中井さん。私が来るかもしれないと、あの大黒柱をなるべく後回しにしてくれてて、やっと来たのであとは任せたと、緊急事態に走っていったのです。任された西田さん、話を聞くとヘリコプター会社の人でした。東吉野に基地があるアカギヘリコプターさん。2年前に奈良で唯一のヘリ会社となってしまったそうです。少し前まで他にも2、3社あったのですが需要が減り撤退。吉野の林業に欠かせない出材手段がこの辺りでたった一社になってしまったのです。西田さんは東吉野の山守の家に育ちこの職に就いたまだ若い職人さんです。危険で大変な仕事だけど、絶対に頑張り続けてくださいね!!心の底からそう思ました。(つづく)
Morizo-内田

# by morizo-archi | 2016-09-07 08:00 | 「例えばこの木 大黒柱のヘリ出材」 | Comments(0)

「例えばこの木」 02

[仕事の前に必要な体力]
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前日の夜、中井さんに「明日はヘリコプター来ますか?」とメールを。すぐに電話があって、天気次第で中止になるけど一応段取りしてます。と。
台風が近づてて明日を逃すと逆に後の日程が厳しくなる。いろんな手配もずれてしまう。きっと山仕事の段取りは判断に迷うこと、少なくないと思うのです。

きっと飛ぶ。もし飛んだら行かなかったことを後悔する。そんな気がして行ってみることにしました。AM5:47地下鉄に乗り、阿部野橋から大和上市に向かいます。この時間帯は特急も急行もなく初めての鈍行。知らなかった駅を眺めながら2時間揺られます。駅からタクシーで山の入り口まで20分。タクシーの運転手さんは不安そうに、「Uターンできますかね?」と繰り返します。8:10到着。前回のように1時間かけて登ったら見逃してしまうかもしれない。小走りに進みながら早速いろんな不安がよぎります。
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道、あってるかな?この橋、見覚えあるな。あれ?道はどこ?引き返したり、やっぱり進んでみたり。
おろおろしてると、「ル・・・・・」あっ、ヘリだ。
もう来てしまった。作業が始まってしまう。どうしよう。もう迷ってる時間はない。。。。
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焦ってしまって道を選ぶゆとりがなくなり、とにかくヘリコプターの音の方へ。道が無くてもウッドクライミング?登るしかない。記憶にある小河の曲がり角や鉄塔の足元を通らないまま不安いっぱい進み続けました。今までの山登りで一番しんどいかも。
 茂みの奥に一瞬、人の服が見えます。「内田さーん?」中井さんだ。間に合った!
でも足がヘロヘロで道なき道はなかなかすすめません。「ちょっとその辺で見といてやー」見たいけど、見えない。近づいては消えていくヘリコプターの音に興奮しながらも、吹き出す汗と焦りが増していきます。
今日は人手不足って言ってたけど、中井さん1人かな?どんなふうに出材するのかな?
心臓のバクバクがなかなか止まらず足も進まない。いつの間にか腕は傷だらけ。
少しずつ近づいて行ってみると、中井さんが初めて見る職人さんと一緒にいました。(つづく)
Morizo-内田



# by morizo-archi | 2016-09-06 08:00 | 「例えばこの木 大黒柱のヘリ出材」 | Comments(0)

「例えばこの木」 01

[現場で見たので]
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来た。

ヘリコプターです。10年前、衝撃を受けた材木の運搬方法。「ヘリ出材」。実は、これを見てみたくて誰のつてもなく突然電話をしたのが小さなきっかけで、以来吉野に通うことになったのかもしれません。それが叶ってふとそんなことを思い出しました。

今回ご縁あって設計する家の大黒柱のヘリ出材に立ち会わせていただきました。1本の木が山に立ってる状態から、伐採、出材、製材、加工と、場所を変え、人を介して家の一部になる。まだ、山から出してもらっただけの状態なのですが、例えばこの1本の木を通して見えたこと、感じたこと、伝えたいことを、少し書いてみたいと思います。
でも、この大黒柱だけが特別なのではなく、ほんとはどの木も特別。どの木も大切な一本一本なのです。今回は、たまたまそれを伝えるきっかけとしてチャンスを頂いたような気持ちになってしまいました。もし読んで下さる方があれば、是非自分の家の木や机の木のことと思って頂けると幸いです。

これを書く意図は、私が本当に感激し感謝したいと思った気持ちを、家を建てる人も、建てない人にも伝えてみたい。知ってもらうことで少しでも山の大変な状況が変われば、、、、と思ったからです。そんな簡単な問題ではないのですが、もし何も変わらなくても、小さな小さなアクションとして発信してみたいと思います。へたな写真とつたない文ですがしばしお付き合いください。
Morizo-内田

# by morizo-archi | 2016-09-05 08:00 | 「例えばこの木 大黒柱のヘリ出材」 | Comments(0)

建築設計室Morizo- 設計士の目線で暮らしや空間のあれこれを発信します。


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