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ワイナリーのための製材所

ワイナリーに通う道中にある木の工場をチラ見。
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木があると近寄って行ってしまう癖がある。
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かなり小径木。皮付きのまま積まれている。
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年輪は若木らしく大き目。
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加工後の製品が山積み。日本にも丸棒加工の工場を見たことがあるけど杭に使うのか?
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そういえば、葡萄畑のいたるところに木の杭が使われている。

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線状に植えられてる場合は両端に必ず、数メートルおきにも、葡萄の木をサポートするためのロープにテンション掛ける支持材がいる。
部分的に鋼製材を使ってるところもあったけど、大半が木製の杭だった。


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そして何より気になる住宅事情。
間もなく完成っぽい新築住宅。外構工事はこれかのよう。
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この通りには同じスタイルの新築が出来たてほやほやっぽい。
後で聞くと移住してくる人も少しいてると言う話。
新築住宅の性能がいかなるものかという調査はまだあまりできていないけど、新しい家も漏れなく煙突がついてる。
これはきっと薪ストーブがあるにちがいない。
マルクスさんの家でもガレージに薪がたっぷりストックされてた。
暮らしの中にもごく普通に木が使われ続けている。
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ワイナーリーやブドウ農家さんの高齢化や人手不足の問題は他の手工業と同じく進行中の様子。
だけど、平地のブドウは機械収穫も可能になったり、他国からの応援を募ったりと、働き手や住人の減少を止める要素もある。
昔と少し違う方法でこの地でしかできないものずくりは続いているのかもしれない。
なによりこの素晴らしい環境で暮らすことを選ぶ人がいる。ということがすばらしい。
そして仕事や暮らしの中に地域材活用の場があることがすばらしい。



by morizo-archi | 2019-10-14 16:58 | 欧州調査レポート(日本比較含む) | Comments(0)

ワイナリーの裏側

ワイナリー体験はドイツの家庭料理を満喫した1週間でもあった。

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典型的なザ・ドイツ食はとっても美味しく、危険だ。
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朝はまだ暗い7時前に朝食の準備が整っている。
この家庭的で機能的なダイニングキッチンは家の中心的部屋。
ここで日々働くみんなのエネルギーを作っている。
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出発は8時前。みんなが身支度を整えるころには既にキッチンで昼食の準備が始まっているし、
この時点で既に10時のサンドイッチとコーヒーは荷積みが完了されている。
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普段は女性陣だけが朝晩の食事をこのダイニングでとり、男性軍は別の宿泊室で取っている模様。
お昼は葡萄畑の現場か、雨なら作業場横の小さな部屋でみんなで食べる。

話に聞いていた「ドイツ人は温かい食事を昼にとり、朝晩は火を使わない食事をする」というのはほんとだった!
ベルリンでは多国籍文化によりそのスタイルは失われつつあると聞いてたけど、ここではこのスタイルがごく普通に続いている。
朝はごはんとみそ汁、焼き魚。的な感じか?
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私がいた1週間の間、週末と私の仕事最終日の2回、みんなで集まって夜に暖かい食事をした。
クリスマスイブ的な感じか?
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総勢16人。集まると迫力がすごい。普段は15人分の朝昼晩、間食、飲み物を毎日毎日、約1ヶ月間用意し続ける。

ワイナリーの母、なんと83歳。
この人が一番ツワモノかもしれない。
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ピザも、ラザニアも手づくり。足らないことがないように、母は作り続ける。
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イモや水のストックは業者並み。
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冷蔵庫、冷凍庫の台数もおぞましい。乾物などはもはや店のような品揃え。
働くみんなの胃袋を満たすために備えは必須の様。
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チーズやパンも塊で買わないと追いつかない。みんなの食欲を見ながらお家で随時スライス。
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全部が手ずくりじゃないよという母のクヌーデルはさすがにがにジャガイモから作ってられないけど
私はこの状態を初めて見た。ベルリンではすでにお団子状になってるものを買ってゆでるだけだった。
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便利になってもアサツキを加えてちゃんと自家製にしてる。
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野菜やシーセージと一緒にオーブンに。昼食時間にぴったり焼き上がる絶妙なタイミングで
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こうなって、
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こうなって、
あっという間に平らげられる。働く人の食欲は気持ちいいほど大せいで、それにつられて私も食べまくった。

家に帰ると、味どうだった?といつもみんなに頃合いを質問する。
美味しいに決まってる。
そして後かたずけや次の日の準備がオートマチックに始まる。
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この野菜スープもすごくおいしかった。いつもの缶詰のスープと全然違う!
これぞ母の味という感じの優しい味付け。
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私の最後の仕事の夜はエバの提案でグリルをしてくれた。どれだけソーセージ食べるねん。という量。
これはポーランド製でポーランドでもソーセージは国民的料理なのかもしれない。
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ソーセージを焼くグリル機が登場。このあたり、流石ドイツ。

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ボイラー室には作業場から戻ったみんなの衣類を選択・乾燥させるスペースがある。
雨でもガンガン仕事はするからここはいつも満員。
裁縫道具が何処にあるかもすべて把握しているエバはもう娘のように隅々まで母を助ける。
それを見て他のメンバーもテキパキ自分ができることをやる。
このフォーメーション。家でも職人魂を感じる。
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女性軍は家の2階で寝泊まりしているようでみんなが寒くないか、ストーブの薪を絶やさないようにくべる母。
もうずっと動いてる。
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日曜日に教会へ一緒に行く?と聞かれててっきり母も行くと思いきや、母はみんなの食事やおやつの準備。
マルクスさんはワインのお世話。
マルクスさんのお兄さんはみんなの付き添いで教会への案内。
この家族はいったいいつ休むのか?
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曇りのち雨の教会への道は幻想的だった。
皆さんカトリックの信仰が深くて毎週教会に行ってるみたいだけど、
この日は教会の大きな行事で満席。テレビのカメラも入りニュースにも取り上げられてた。
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会が終わるとみんな幸せそうな顔で帰っていく。
この満たされた時代に何を一体願うのだろうと不思議に思ったけど、
もしかしたら願いじゃなくて満たされた日々を感謝しに来てるのかもしれない。

家に帰ると母の手料理が出来上がっている。この日は食べる前に母の音頭でお祈りをする。
みんなお経?を暗記しててソラで言えてる。
ポーランドのメンバーも信仰心が厚く、毎週どこかの教会に言ってるみたい。
疲れてるのにちゃんと教会には行く。
こういった共通点も長年家族のように付き合う仲に影響を与えてるのかもしれない。

昼食後は各自リラックス、昼寝をするなど体を休めて次の一週間に備える。
体調不良があってはならない。頼りにされてるこの時期の大切な体力とモチベ―ション。
一週間だけ楽しく体験を味わう私と違って、みんなちゃんと心得てる感じ。

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私はベルリン以外のドイツ人の暮らしが見たくて、季節労働なら受け入れ先があるかもと当初居候を志願したけど
きっと気を休めるにはと、いろいろな配慮から母の友達の宿を格安で使わせてもらった。
インターネットが繋がらなくても、寝に帰るだけだったけど、快適だった。
そう言えば、高齢の葡萄農家さんの収穫作業を手伝う日もあった。
気を使って奥さんが焼いたケーキが間食タイムに振舞われた。
人口数百人の小さな村ではご近所さんも家族みたいなものかもしれない。


1週間だから楽しかったのか、ずっと暮らしても快適なのか、田舎暮らしの経験がないからわからないけど、
本当の豊かさって何かなって考えてしまった。
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念願通り暮らしぶりは見れたし、家の中をあちこち見せてもらっった。お客さん用の豪華なリビングには100年前の木のタンス。
ベトーベンの親類から引き継いだこのワイナリーの歴史も少し展示してる。

この横に母がいつも使っている家族用の小さなリビングにたびたび誘われて、母と一緒にテレビを見た。
母はいつも途中で居眠り。たまに目覚めてあんたも寝なさい。とソファーを指さす。
そして二人の息子たちが時折母を探しにやってきて休憩はたびたび中断される。

母は強し。
この裏方の支えがあってのワイナリー。
きっと何世代も「母」はこうしていたんだと思う。
人やものを繫いでいくキーマンでもある。
ものづくりの裏側にも沢山のものづくりがあると知った。

by morizo-archi | 2019-10-14 07:00 | 欧州調査レポート(日本比較含む) | Comments(0)

ワイナリーで収穫体験

Köwerich ドイツ西部の小さな村
GESCHWISTERというワイナリーで一週間収穫体験をさせてもらった。
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最高の1週間。
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モーゼル川を挟んで丘と平地にびっしり並ぶ葡萄畑。
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蛇行するモーゼルが作る何とも言えない風景。
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この村はベートーベンの母の故郷。そしてこのワイナリーはそのベートーベンの親類にあたるレグネリー家が歴史を受け継いでる。由緒あるこの地特有の高品質リースリングワイン。らしい。
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日本でこれを輸入販売している社長さんに一年前の渡欧直前にお会いしたご縁で
このワイナリーを紹介してもらった。
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一週間の滞在中にいったいどのくらい飲んだか。とても飲みやすく危ない。
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酒造を担当する三人。
真ん中、オーナーのマルクスさん。
左、30年間ここのワインづくりをポーランドからきて手伝う杜氏スターシャさん。
右、アメリカの実家が小さなワイナリーで只今イタリアでワインを学び修業中というハナ。
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この二人は英語で会話。
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この二人はスマホで会話。
私は、スターシャさんと怪しいドイツ語で、ハナとは怪しい英語で強引に会話をした。
ホースや容器をもって走り回る3人は共通言語がなくてもちゃんと仕事ができた。
とてもいいチームだと仕事終わりになぜかビールで乾杯したり。すごく楽しかった。
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地下のケラーでは沢山あるタンクに毎日次々と運び込運び込まれる葡萄をワインへとしていく。
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マルクスさんは止まることなく働きずくめ。夜明け前から夜遅くまで休日もなく繁忙期を過ごす。私が利き酒師の資格を取ったときに酒づくりってこんなにも大変なのかと驚いたことを思い出しながら、ワインづくりも負けず劣らず大変そうだなと。毎日が待ったなし、という感じ。吉野の橋本さんもきっとこんな感じなんだろうなと思わずメールをしてしまった。
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不思議な器具で糖度を計り、
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何やら理科の実験のような器具で様々な検査をし、

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発酵を促し
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温度や時間を厳密に測り
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タンクの中を常に気にしてあげる。
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ハナは約三ヶ月間このワイナリーで修業した後、一旦イタリアへ戻りその後アルゼンチンのワイナリーで修業をするらしい。
実家のワイナリーは赤ワインを作ってってあま手伝だったことはなかったけど、ここの製造方法はかなり違うらしい。
ワインのことはよくわからないけど、リースリングワインはこの地特有の製法なのかもしれない。
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摘まれてきた葡萄を絞る。房や皮を積み替える。何回ろ過するねんと言うほど不純物を取り除く工程があり、大量の容器や器具の洗い物や掃除をこなしながらの作業。実にやることが多い。
毎日へとへとになりながらワインづくりを学ぶハナ。マルクスさんが英語ができることや両親とのご縁もあってここへきたらしい。
彼女のガッツを見ているとものづくりに言葉の壁はあまりないと感じる。
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それにしてもみんなよく働く。本当に夜明け前から日暮れまで。
皆が帰ってもマルクスさんはまだやることがあると残業。日本人もびっくりの長時間労働。


季節労働に憧れがあったのと、ブドウ摘みなら言葉が出来なくても少しは役に立つかもと志願したワイナリー体験が、思いもよらずワインづくりのあれこれまで体験することに。
大変貴重な経験。

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そして葡萄摘みももちろん体験。
これが甘くはなかった。坂がきつい。。。。
じっと立って葡萄を摘むのがなかなか大変。
変なところに力が入り、おかしな筋肉痛の日々。
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そのなかなか大変な作業をに軽やかに朗らかにこなす9人のツワモノ。
杜氏のスターシャさんを含め10人で毎年ポーランドからやってくるこの方達は
もうレグネリー家の親戚のようなもの。単なる季節労働者ではない。
葡萄摘みのリーダー格のエバさんはスターシャさんのお姉さんで、この人も30年選手。
スターシャさんの息子二人とその友達、昔お父さんが来てて世代交代した人もいる。
こういったスタイルで製造にかかわるメンバーが構成されているのは
めずらしいのか?そうでもないのか?わからないけど、とにかく素晴らしい。
毎年一部のメンバーは入れからってるかもしれないけどしっかりフォーメーションが出来ていて仕事が早い。
摘む人、運ぶ人、気を配る人、、、どんなに喋りまくって大笑いしててもスピードは全く落ちない。
無駄のない動きに職人魂を感じる。
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私もベテラン選手には及ばないけど頑張った。
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バケツにはスチールの脚を装着して水平を保つ。
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なるほど。これが満タンになるころに運ぶ担当の人が来て専用の背負子に入れてこの坂を何往復もする。すごい。どんだけ体力あるんだ。
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そして時折水ではなくワインが配給される。さらに10時と3時にはコーヒーとサンドイッチが配給される。その合間にチョコレートや飴玉が廻って来る。
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雨が降ってなければ工房まで帰らず現場に酒造メンバーが昼食を運んできてくれてみんなで食べる。
1週間毎日違うドイツ料理をたっぷり頂いた。確実にエネルギー消費量よりも補給量の方が上回ってたと思う。
1週間みっちり労働したはずなのに顔がパンパンになった。
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憧れてた季節労働を思いがけずドイツで体験出来たことは本当にラッキーだった。
そしていろいろなポジションを少しずつ見れたことで、単に労働ではなくものづくりをしている実感がわいた。
国を超えて言葉を超えて手仕事を続けていく人間関係やものづくりの根本を目の当たりにしていろんなことを想った。
日本もきっとこうなっていく。もうなってるところもあるし、なっていいと思う。
大きな資本で機械的に生産をするのは確かに効率的かもそれないけど、手でやれることは手で、人力でやれることは人力でやった方がいいよに思う。
この経験がこの後の人生に活かされたらなおいいと思った濃厚な1週間だった。
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このGESCHWISTERの仕事に少し参加したおかげで、これからはワインをもっと大切に飲もうと思った。


by morizo-archi | 2019-10-14 04:36 | 欧州調査レポート(日本比較含む) | Comments(0)

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