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UTSUWA DANGI-Ⅱを開催しました。

とても好評をいただきましたUTSUWA DANGI-Ⅱ。
無事開催いたしました。
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日独職人のパネルディスカッション
2024年10月14日
(ドイツ時間 14:00 – 15:30)
(日本時間 21:00 – 22:30)

開催の挨拶ではベルリン日独センターの事務総長Dr. Julia Münch様が、日独職人パネルディスカッションやUTSUWAプロジェクトへの期待の言葉を述べられ、プログラムは始まりました。
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会場に集った日独のUTSUWA職人メンバー4人と、オンラインで日本から神戸芸術工科大学学長の松村 秀一先生と、日本の建築にも詳しい元ミュンヘン工科大学名誉教授Prof. Thomas Bock先生とを繋いだハイブリッドのパネルディスカッションでした。
ベルリン日独センターの河内様とUTSUWAprojectを代表して内田がモデレーターを務めました。

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今年2月に開催したUTSUWA DANGI-Ⅰをもう少し掘り下げて、しかも日独センター大ホールで同時通訳という贅沢な環境の基、1時間半にわたり開催した日独UTSUWA DANGI-Ⅱ。彼らのこれまでの経験や現在の思い、これからの夢、、、いろいろな深い話を聞くことができました。
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会場には平日の昼間にも拘らず30名の来場者にお越しいただき、オンラインではドイツや日本、アメリカやオランダなどからも!
合計70名の方にご視聴いただきました。

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何度も日独センターの河内さんや黒岩さんとと打ち合わせを重ね、
限られた時間でどのようなことを話してもらおうか思案し、今回は4つのテーマに絞りました。
■テーマ1:器プロジェクトの関わり
■テーマ2:弟子と技術継承の話
■テーマ3:日本とドイツの比較
■テーマ4:手仕事のモノづくりの未来
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■テーマ1:器プロジェクトの関わり
どの様にしてUTSUWAprojectに関わり始めたか?
他のこのような活動に参加したことがあるか?
UTSUWAで何かを得ることが出来たか?などなど。
突っ込んだ質問に対して、率直な意見を語ってくれたメンバー達。

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UTSUWA3.1エピソードとして。
2022年にBerlinで共同制作したUTSUWA3.0に、今回は障子をプラスしてバージョンアップしたが、
フレームの製作時に沖本大工が考えた新しい仕口をさらにDorianが進化させて作った話。
伝統技術をそのままではなく状況に合わせてリアルタイムにクリエイトする2人に言葉の壁や国境はなく、仕事を通して分かり合えたという話。
これもまたものづくりの魅力だと思いました。
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■テーマ2:弟子と技術継承の話
■テーマ3:日本とドイツの比較
弟子を育てた経験があるか?
どのように対応するか?
自分の弟子時代のエピソードなど。
日独相互の働き方を知る恵美とドリアンはそれぞれの思いを語ってくれました。
細部まで考えて仕事に取り組むいい面と、こだわりすぎて仕事の時間が長くなりすぎる困った面や、
師匠は常に弟子のことを気にかけていて、弟子は常にいいパフォーマンスを心がけなければならないことなど。

Justusは職業訓練での経験や、知識と技術を同時に学べるデュアルシステムについてポジティブな意見を述べ、日本での修行体験への想いも聞かせてくれました。

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最後のテーマ
■テーマ4:手仕事のモノづくりの未来
について、子供の時期に木や土などの自然素材に触れる事が大切と語る沖元大工。
職人さんを目指すきっかけとなるような学校を作りたいと言う夢も語ってくれました。
最近「仕口」の本を出版したDorianは、自分の知見や経験をワークショップを通してもっと伝えていきたいと語り、
EmiやJustusは今後もものづくりを続けていきたいと語ってくれました。

■専門家のコメント
松村先生からは、まず、このような国際的なディスカッションの機会ができたことはお互いに刺激となる面白い試みだと評価を頂きました。
昨今日本では職人が急激に減りつつあるが、最近の傾向として、会社組織が大工を雇用する形態が増えつつある。その背景には社会保障や安定収入への不安による職人不足を解決する動きが出てきている。と興味深い現状を教えて頂きました。

日本の職人事情に精通しているボック先生からは、ITやロボットによる助けも有効だという意見がありました。
対して、手でつくることにで達成感やモチベーションに繋がるのも事実。
今後はロボットと手仕事との理想的な融合による未来も考えうるとのご意見を頂きました。

■会場からの質問
新しいスタイルのデュアルシステム(学校と企業が一緒になって職人を育成する)の構築を検討中という南ドイツの大学教授の方から、
「職人の未来にとってそれは有効でしょうか?」かという質問を頂きました。
パネラーJustusの回答は、とても素晴らしいと思います。特に社会人で手仕事を学びたい人にとっては有効ではないでしょうか。というものでした。
今後の手工業に大きなプラスになるとコメントを添えました。

別の質問では、SNSの役割についてどのように感じているかという問いがありました。
パネラーからはポジティブな回答が大半を占め、もしSNSがなかったら今日のイベントの開催や、
自分自身UTSUWAプロジェクトへの参加も難しかったかもしれないという意見がありました。
またSNSは直接的な交流が可能で、若い人たちにとっては、手工業の敷居を下げる効果もあるという意見もありました。

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もっといろいろな話を聞きたかったし、会場やオンラインの皆さんとももっとディスカッションを広げたかったですが、あっという間に時間半が経ちました。

ご参加いただいた皆さんはどのような感想を持たれたでしょうか?とてもとても気になります。
遠方からわざわざお越し下さった方も多く驚きましたが、このような機会があまりないということだと思います。
楽しんでいただけたなら幸いです。ありがとうございました。

時差の中、遠方からご参加いただいた松村先生やボック先生にはお話しいただく時間がほんとに少なく、申し訳ありませんでした。
そして貴重なご意見をありがとうございました。

さて、参加したパネラーのみんなはどうだったかな?
確かに1時間半は短い時間ですが、5時間あっても10時間あっても、聞きつくせないそれぞれの経験や、状況や、思いや夢があると思います。
もっと知りたい、もっと聞きたい、そう思えるUTUWAの職人メンバー達。素敵な人格で、クリエーターで、職人です。
忙しい中、UTSUWAに参加してくれて、時間を割いてくれて、改めてありがとう。

帰国後に個別に行ったヒアリングでは、よかったところ、あまりよくなかったところ、沢山のアドバイスや貴重なご意見を伺うことができました。
個人的には「職人の楽しさ」にもっとフォーカスする事ができるともっとよかったかな、、、という反省はありますが、
応援してくださる方や楽しんでいただいた方も沢山いたことは本当によかったと思います。

共にこの企画を考え実施し、場所、人材、技術など多大なご支援をしてくださったベルリン日独センター様には心から感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
内田利惠子


■パネラー
・沖本 雅章:大工:木と子供が大好きで常にクリエーティブな職人さん。 夢は世界で活躍する大工アーティスト☆
・Dorian Bracht :木工家:アメリカ、EU、アジアでの生活体験があり、探求心旺盛。2024年に仕口の本を出版。
・Emi Shinmura:木工アーティスト:毎年日本に滞在しながら技術を学び、独自の発想でデザインや大工仕事やアートも出がける。
・Justus Kissner:木工家:職人同士のネットワークが広く、日本の手仕事や文化に興味津々。日本に行く日を心待ちにしている。
■コメンテーター
・松村 秀一:神戸芸術工科大学学長
・Prof. Thomas Bock:Bock Robotics Revolution ( br2 )
■モデレーター
・内田 利惠子:一級建築士
・河内彰子:ベルリン日独センター文化部

主催:ベルリン日独センター
   (一財)大阪地域振興調査会
    器プロジェクト実行委員会

by morizo-archi | 2024-10-14 23:00 | UTSUWA 2024 | Comments(0)

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