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和室ゼミに期待!

先日京都橘大学・鈴木あるの先生のゼミにオブザーバーで参加させて頂いた。今回で二度目。
この機会を通して、和室の未来を感じることができた☆こういった学びの場が大切なんだ!と改めて感じたのでメモとして書いておこう。

2・3回生15名のこのゼミは和室について学んでいる。
前回の発表と同じく5組のグループが、それぞれの思う和室を提案。
これに対してオブザーバーの私たちが意見や質問をするという感じ。
興味津々の1時間半。

今回のテーマは「外国人に向けて提案する和室。」
今年の器(UTSUWA)プロジェクトの課題の一つと重なってる☆
5組の学生さんたちの切り口がバリエーション豊かで興味深かった。
レンタル和室、気候による提案の分類、一畳カプセル和室の展開、本物素材×カフェ、伝統技術体験ツアープランなどなど、、、

若者らしくもっとぶっ飛んだ非現実的な提案を期待してたけどみんなちゃんと現実的で、マーケティングのことまでしっかり考えて、自分の若かりし頃とまるで違う。
ドイツのメンバーにも感想を聞いてみたい気もするほど。

何よりうれしく感じたのは、若者が和室を学びたいと自ら志願してこのゼミを選んだこと。
そして、確実に知識を増やし、興味を深めていると感じた。
この調子で地道に和室ファンを増やしていくのが遠回りなようで結果的には近道なのかもしれない。
教育の影響、興味を持って学ぶことの大切さを改めて感じた。

発表の後に、一緒に参加した中野表具店 https://fusuma.jp/ さんによる和紙のプチ講座。
まずは、「和紙」の定義がない。ということを知った衝撃の体験談を話され興味津々な皆さんと私。
(和室の定義もないということに衝撃を受けたのはつい昨年のこと。和紙もか、、、)
皆さんの和紙の定義(和紙って何ですか?)の答えも様々で面白かった。
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次に、配布した薄い方の2枚の紙を皆さんにちぎってもらう。
原料がパルプのものと、楮が入っているのものとの違いを体感。
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確かにちぎった部分の毛足の長さの違いが良くわかる。楮の繊維長さが紙の強さに秘められていることを知る。
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次に襖紙的なサンプルをちぎる。
下は機械すきの和紙。鳥の子参号(特漉き参号)。襖紙の中でも上質な部類に入るが三椏、マニラ麻、パルプが入ってる。
上は楮100%の紙。ちぎれない。(これは襖紙として作られた製品ではなく楮の厚紙とのこと)
明らかに違いが判るこの紙ちぎり体験にゼミの皆さんはびっくりしてる。
私が初めて体験した時もきっとこんな顔をしてたはず。
恐るべし楮。

これはほんのいち体験だけど、材料には沢山の「違い」がある。
原料の違いによる素材の違い。
その製造過程の違いによる製品の違い。
原材料生産量によるコストの違い。
製品による強度や劣化の違い。
色や仕上がりによる風合いの違い。
これらすべての違いの掛け算で無数の選択肢があることをはずは沢山の人に知ってほしい。
そして、どれがいい悪いではなく、適材適所使い分けることがこれらの材料や技術や知恵を継承できる一助になることを知ってほしい。
全てを熟知する必要はなく、適切な選択をしてくれる趣向の合うプロに出会えれば、そこはプロに任すのも一つ。(というか、その方がいい)

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最後に、今回は欠席となった大江畳店 http://www.ooetatami.com/さんから預かった畳や畳表や縁のサンプルをゼミの皆さんに触って頂く。
様々なバリエーションやデザインや質感の違いを実物で見てもらう。(詳細は別途いつか紹介したいと思います☆)
興味津々で触る様子に、きっかけってほんとに大切だなと思った。
なんの興味もない段階でこれを見てもらうのとでは見方もきっと違うはず。
背負って来た甲斐があった。

和室を学ぶ学生さんも、和室を教える先生も、益々頑張ってほしい!!!
そしたらきっと和室の未来は開けるはず!?
期待を込めて応援したくなってしまった。



最後に、ちらっと聞いてみたかった器プロジェクトへの皆さんのご意見は時間切れで聞けなかったけど、
資料を作り直しててふと思ったこのプロジェクトの意義。
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7年前に発足したときには、2年は続ける!!と思ってたけど、まさかその後海外にまで膨らむとは全く思ってなかった。
関わる人も増え、今後はどうなるかなんて未知。
でも、これまでを踏まえつつ柔軟に状況に適応しながらより良い方向に繋がって行ったらそれでいいようにも思う。




プロジェクトの経緯と現状(※個人的意見)

■器プロジェクト(Japan)とは [2015年 大阪にて発足]
異業種(職人と設計士)が共同して素材や仕事を表現するツール(器=和室)を発表する場

■UTSUWA project (Berlin)とは [2020年 ベルリンにて発足]
日本の手仕事や建築文化、デザインをリスペクトする多国籍メンバーによる和室創作プロジェクト

■器(UTSUWA)プロジェクト(日独)とは [2021年 器(UTSUWA)プロジェクト実行委員会発足]
日独の優れた手仕事やデザインを時代や地域にあった組立移動可能な空間として開発・発信し手仕事の市場を広げるプロジェクト



by morizo-archi | 2022-07-13 08:24 | UTSUWA3.0 Archiv | Comments(0)

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