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ワイナリーの裏側

ワイナリー体験はドイツの家庭料理を満喫した1週間でもあった。

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典型的なザ・ドイツ食はとっても美味しく、危険だ。
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朝はまだ暗い7時前に朝食の準備が整っている。
この家庭的で機能的なダイニングキッチンは家の中心的部屋。
ここで日々働くみんなのエネルギーを作っている。
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出発は8時前。みんなが身支度を整えるころには既にキッチンで昼食の準備が始まっているし、
この時点で既に10時のサンドイッチとコーヒーは荷積みが完了されている。
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普段は女性陣だけが朝晩の食事をこのダイニングでとり、男性軍は別の宿泊室で取っている模様。
お昼は葡萄畑の現場か、雨なら作業場横の小さな部屋でみんなで食べる。

話に聞いていた「ドイツ人は温かい食事を昼にとり、朝晩は火を使わない食事をする」というのはほんとだった!
ベルリンでは多国籍文化によりそのスタイルは失われつつあると聞いてたけど、ここではこのスタイルがごく普通に続いている。
朝はごはんとみそ汁、焼き魚。的な感じか?
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私がいた1週間の間、週末と私の仕事最終日の2回、みんなで集まって夜に暖かい食事をした。
クリスマスイブ的な感じか?
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総勢16人。集まると迫力がすごい。普段は15人分の朝昼晩、間食、飲み物を毎日毎日、約1ヶ月間用意し続ける。

ワイナリーの母、なんと83歳。
この人が一番ツワモノかもしれない。
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ピザも、ラザニアも手づくり。足らないことがないように、母は作り続ける。
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イモや水のストックは業者並み。
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冷蔵庫、冷凍庫の台数もおぞましい。乾物などはもはや店のような品揃え。
働くみんなの胃袋を満たすために備えは必須の様。
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チーズやパンも塊で買わないと追いつかない。みんなの食欲を見ながらお家で随時スライス。
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全部が手ずくりじゃないよという母のクヌーデルはさすがにがにジャガイモから作ってられないけど
私はこの状態を初めて見た。ベルリンではすでにお団子状になってるものを買ってゆでるだけだった。
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便利になってもアサツキを加えてちゃんと自家製にしてる。
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野菜やシーセージと一緒にオーブンに。昼食時間にぴったり焼き上がる絶妙なタイミングで
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こうなって、
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こうなって、
あっという間に平らげられる。働く人の食欲は気持ちいいほど大せいで、それにつられて私も食べまくった。

家に帰ると、味どうだった?といつもみんなに頃合いを質問する。
美味しいに決まってる。
そして後かたずけや次の日の準備がオートマチックに始まる。
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この野菜スープもすごくおいしかった。いつもの缶詰のスープと全然違う!
これぞ母の味という感じの優しい味付け。
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私の最後の仕事の夜はエバの提案でグリルをしてくれた。どれだけソーセージ食べるねん。という量。
これはポーランド製でポーランドでもソーセージは国民的料理なのかもしれない。
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ソーセージを焼くグリル機が登場。このあたり、流石ドイツ。

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ボイラー室には作業場から戻ったみんなの衣類を選択・乾燥させるスペースがある。
雨でもガンガン仕事はするからここはいつも満員。
裁縫道具が何処にあるかもすべて把握しているエバはもう娘のように隅々まで母を助ける。
それを見て他のメンバーもテキパキ自分ができることをやる。
このフォーメーション。家でも職人魂を感じる。
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女性軍は家の2階で寝泊まりしているようでみんなが寒くないか、ストーブの薪を絶やさないようにくべる母。
もうずっと動いてる。
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日曜日に教会へ一緒に行く?と聞かれててっきり母も行くと思いきや、母はみんなの食事やおやつの準備。
マルクスさんはワインのお世話。
マルクスさんのお兄さんはみんなの付き添いで教会への案内。
この家族はいったいいつ休むのか?
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曇りのち雨の教会への道は幻想的だった。
皆さんカトリックの信仰が深くて毎週教会に行ってるみたいだけど、
この日は教会の大きな行事で満席。テレビのカメラも入りニュースにも取り上げられてた。
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会が終わるとみんな幸せそうな顔で帰っていく。
この満たされた時代に何を一体願うのだろうと不思議に思ったけど、
もしかしたら願いじゃなくて満たされた日々を感謝しに来てるのかもしれない。

家に帰ると母の手料理が出来上がっている。この日は食べる前に母の音頭でお祈りをする。
みんなお経?を暗記しててソラで言えてる。
ポーランドのメンバーも信仰心が厚く、毎週どこかの教会に言ってるみたい。
疲れてるのにちゃんと教会には行く。
こういった共通点も長年家族のように付き合う仲に影響を与えてるのかもしれない。

昼食後は各自リラックス、昼寝をするなど体を休めて次の一週間に備える。
体調不良があってはならない。頼りにされてるこの時期の大切な体力とモチベ―ション。
一週間だけ楽しく体験を味わう私と違って、みんなちゃんと心得てる感じ。

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私はベルリン以外のドイツ人の暮らしが見たくて、季節労働なら受け入れ先があるかもと当初居候を志願したけど
きっと気を休めるにはと、いろいろな配慮から母の友達の宿を格安で使わせてもらった。
インターネットが繋がらなくても、寝に帰るだけだったけど、快適だった。
そう言えば、高齢の葡萄農家さんの収穫作業を手伝う日もあった。
気を使って奥さんが焼いたケーキが間食タイムに振舞われた。
人口数百人の小さな村ではご近所さんも家族みたいなものかもしれない。


1週間だから楽しかったのか、ずっと暮らしても快適なのか、田舎暮らしの経験がないからわからないけど、
本当の豊かさって何かなって考えてしまった。
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念願通り暮らしぶりは見れたし、家の中をあちこち見せてもらっった。お客さん用の豪華なリビングには100年前の木のタンス。
ベトーベンの親類から引き継いだこのワイナリーの歴史も少し展示してる。

この横に母がいつも使っている家族用の小さなリビングにたびたび誘われて、母と一緒にテレビを見た。
母はいつも途中で居眠り。たまに目覚めてあんたも寝なさい。とソファーを指さす。
そして二人の息子たちが時折母を探しにやってきて休憩はたびたび中断される。

母は強し。
この裏方の支えがあってのワイナリー。
きっと何世代も「母」はこうしていたんだと思う。
人やものを繫いでいくキーマンでもある。
ものづくりの裏側にも沢山のものづくりがあると知った。

by morizo-archi | 2019-10-14 07:00 | 欧州調査レポート(日本比較含む) | Comments(0)

建築設計室Morizo- 設計士の目線で暮らしや空間のあれこれを発信します。


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