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日独「木材産業・木造建築」シンポジウム03

NRW州木材センター
Zentrum Holz
https://www.wald-und-holz.nrw.de/


【導入講演:ドイツ及びNRWの林業の概要】
(MULNV省造林・森林気候変動・木材産業課)
ヨーステンさんの説明が始まる。
現在は自然に近い林業を目指し、市民の憩いの場となる森林には基本的に誰でも入れる。
とのこと。やっぱり想像通り。と思いきや、
自然林にはブナ、オークなど広葉樹が多けどドイツ全体の森林には針葉樹が多い
と、ドイツ林業のイメージと違った説明が続く。
植林による針葉樹の伐期は60~100年で価格的にも評価が高く収入的には有利。
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40年生~80年生の針葉樹ストックが最も多くこの辺りも含めて、戦後の拡大造林の伐期を迎える日本の杉桧の状況に似ている。
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ただ、日本と違うと感じたのは森林木材産業がドイツ全体で600憶(€?)の価値があるとしている。と、社会的な評価が高いということ。
NRW州は森林面積も多く家具などの木工産業が昔から盛んだったことや、現在は経済都市で出版社が多く紙による木材活用が多いらしい。
州では木材産業PR活動によって林業、木材加工、建築、紙関係などで70%雇用UPに貢献したとのこと。
温暖化対策や環境配慮への意識からドイツ木造2.0計画「ProHolz」 http://www.proholz.at/ の取り組みがドイツ中に広まっている。
という報告はうらやましい限り。

【導入講演:日本の森林・林業・木材産業の概要】
(農林水産省林野庁林政部)
概要説明がとてもわかりやすく現在の日本の林業の問題が改めて見えた。
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国土面積に大差ない日独だけど、ドイツの森林面積は国土の32%、対して日本は78%と倍。そのうちの44%が杉。
現在52憶㎥のストックがあり、毎年7千万㎥成長により増えている。
1970年頃まで植林が盛んに行われ伐期を迎えた木は50%にもなっているという。
でももしこれを切ったら、又植えるのかな?誰か施業するのかな?大きな疑問が湧く。
10ha以下の森林所有者が大半で、林業従事者は12万人から現在4万人になっているらしく
これが何より大きな問題と思う。
ドイツと圧倒的に違うのは急傾斜地が多く林道整備が行き届いていないため輸送費にコストがかかりすぎて森林所有者の利益が出ない点。
木材単価が下がった今では到底、育林や後継者育成まですることができないのが現状。
国は対策として機械化を進め重機と架線で輸送コストを下げる援助をするとのこと。
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一時期木材自給率が2割以下にまで下がった時期から今は36%にまで回復してるらしい。
でもこの多くはバイオマスなどの増加によるものらしいので一概には喜べない。
戦後大半の木材利用は住宅用材が占めていたが、今後は人口減少に備え住宅以外の用途での利用を促進する必要がある。
現在緩和法改正で12階建てまでの高層木造が可能となったが、イメージ的に浸透するにはまだまだと話された。

改めて聞けば聞くほどやっぱり厳しい日本の林業界。
なんとか改善のきっかけがほしい。




by morizo-archi | 2019-05-16 22:32 | 欧州調査レポート(日本比較含む) | Comments(0)

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