子供がいない私はこんな経験ができることを羨ましくも思った。
昨日、提案図面を描いた物件の打ち合わせに同行させてもらった。
天井高さ3.4mの小さな子供室にハンモックのようなロフトを作って階段を掛ける。
要望は聞いていたもの、
なぜそれをしたいのか?
どう使うのか?
どのくらいの期間使うのか?
どのくらいのグレードを求めているのか?
大切なことがまだヒアリングしていなかったので
言葉通りの要望と、想像を膨らませたプランと、その中間のプランを持っていった。
現場となる小さな子供室で大人5人が話をする。ご夫妻がレゴで作った模型と、その場で描くラフパースと、スマホで事例写真も見ながら、ぐんぐん話は進む。
この計画で一番大切にしたいことはなにか、寸法や、構造、素材や仕上げに至るまでものすごいスピードで話は進む。
(ドイツに来てびっくりするのが、依頼者受け手も決断が速い。検討事項を持ち帰らずその場で確定させていく。これはすごくいい。是非習得したい。)
階段の位置や梁の高さを現場検証しながらごご夫妻にヒアリングする。
康子さんがタイムリーに通訳をしてくれるので少し遅れて内容はわかる。
話の区切りを待つ間は、普段通り5%の知ってる単語と95%の状況+想像で推測しながら聞く。
この「状況」のほとんどは「表情」を指していたことにこの記事を読んで気づいた。
希望に満ちて工事をしたいのか、困っていて何とかしたいのか、心配事は何か、好きなものは何か、、、、
楽しそうにな顔、真剣な顔、夫婦間のキャッチボールの顔、子供に話すときの顔
その話をするときの「表情」が多くを教えてくれる。
子供がいない私にとっては、関わる物件を自分の子供と思うと言えば大げさすぎる。
でもちょうど、クライアントの初めての出産を手伝う産婆さんのような感覚がある。
この記事の子供の様に言葉にしていない部分にも沢山の感情があるように、
クライアントの言葉にしていない部分を少しでも多く組み上げるには、相手の表情をくみ取る能力は大切だ。
ここ数か月その作業をしていないせいか、言葉がわからないせいか、設計者としてすごく大切な仕事を思い出した。
2年目挑戦に向けて今、私がこちってできる仕事を考え始めてるタイミングでの気付き。
「大切なこと」を思い出したそのきっかけは共通点のない友達のFBとTakumiの現場だった。ありがたい。