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素材を考える。

Takumi工房の目の前に巨大なホームセンター「HORNBACH」がある。
ドイツではBau Kaufhausっていうんだったっけ?
ベルントさんの買い物にくっついていく。


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主なお客さんはプロではなく、プライベートで日曜大工をする人らしい。
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けど、この写真の様に日本でいう日曜大工とは本気度が違う。
材料のサイズやロットは業者並みのものも多い。
巨大さのせいか平日は人がまばらだけど、土曜日は10倍のお客さんが来るとのこと。
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日本のホームセンターと同じく買った人には運搬用に車も貸してくれるけど、
客にどれだけ宣伝を期待するの?という派手な色のトラック。
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入口にはリサイクルボックスがちゃんとあって分別がわかりやすくなっている。なっている?
実は普段のごみもそうだけど、厳密な分け方があってるのか否か?ドイツ人も分からないという人は(ベルリンには?)意外といる。
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日本だと「コーナンプロ」並みの巨大なホームセンターでもここでは一般的なサイズ。

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ドイツでは法律で単位当たりのコストを表示しないといけないらしく、比較しやすい。
石に見せたタイル約5,000円/㎡。日本もこんなもん。

木材ももちろん売ってるけど安かろう悪かろう。悪くなければ安くない。
ということで、プロが大量に買うのはやっぱり専門のルートらしい。
でもMDFに限ってはホームセンターが一番安いらしく作業服を着たプロが巨大なカートにメーターモジュールのパネルをせっせと積み込んでた。
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集成材が通路の正面で安売りをしている。
集成材にしては反りずじゃない?というのも混ざってる。
生産者認証のマークがあるけど、この商品はドイツのカラマツ原木を中国で加工してドイツに輸出して売っている商品らしい。
でも承認マークはどこまで信用できるか疑問もあるとのこと。

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ベルントさんには時間がないけど買い物の前に断熱材コーナーを見学。

以前に日本とドイツでそれぞれ使っている素材について話したことがあった。
その時断熱についての話が出てそれを覚えててくれたのか、ちらりと見ながらベルント先生にご案内いただく。
ドイツでも一般的につかうグラスウールや発砲系のボード断熱。
素人の向けの品ぞろえにしては十分なサイズと厚みのバリエーション。
でもここには環境に配慮したリサイクル素材や再生可能な素材の断熱材はほとんど置いてないとのこと。
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他のホームセンターでは化学素材ではない、羊毛のフェルトや古紙からできた断熱材など
環境意識の高い人向けの商品があるお店もあるみたい。

私は日本で住宅設計をするときに断熱材やOSBなどの材や厚みの違いを用途や性能で選んできてたけど、
ベルントさんは環境への意識を常に持っている。
私には塩ビと、プラスチックと、ポリの違いはあまりなく、非自然素材というひとくくりにしていた。
例えばこの3つでも環境への影響やリサイクル性はかなり違うようで、Takumiでは意識をもって使い分けている。
同じ木を主原料としたボード材でも環境によくない樹脂がたっぷり入ったものもあれば、木の持つ油と熱と圧だけで固めて作っていものもある。
まだまだ勉強が足らんな~と思う一場面。
Morizo-も早くクライアントの予算に負けず、「自然に返る素材が標準仕様です!」と言い切れるようになろうと思う。

ホームセンター見学からでもいろいろ見えてくるものがある。
日本とドイツのものづくりを知るには素材や工具も大いに関係する。
今後も順次調査したい。

by morizo-archi | 2019-01-20 00:24 | 欧州作り手・素材レポート(日本比較含む) | Comments(0)

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