日本vs欧州調査レポート 03 日本建築を改めて

和歌山県岩出市
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「根來寺」(ねごろでら)
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桜の名所にもなっているこのお寺。せっかくなのでこのタイミングに行きました。
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お目当てはこの多宝塔。日本最大の木造大塔、とってもバランスよく特に斜めから見た姿が美しいです。翼のような伸びやかな屋根とふっくらちょっとかわいい円形の亀腹。2階部分が細すぎないのがちょうどよくって、他で見る多宝塔以上に心を奪われました。このデザインをした人のバランス感覚すごいです。
多宝塔の多くは真ん中の心柱は地面まで達してないのにあの相輪を支えて、建物本体の平面に対して屋根の平面が非常に大きい。構造的にはかなり無理があるデザインだけどこの大塔、1547年から建ち続けている。安定感抜群。
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このお寺自体、秀吉さんと対立したせいで大塔以外のほとんどが消失したらしく、今の伽藍の大半は江戸時代以降のもの。それでもすでに2、300年は経過していて、しっかりと風格を取り戻しています。

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池に浮かぶ聖天堂への太鼓橋は船が通過できるように一部床が開閉する仕掛け?!
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使い込まれた欄干が浮造(うずくり)になって触りごこちがすごくいい。
そこに至る廊下の一部に懇親の修繕跡が。
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痛んだ桧の厚板をそっくり取り換えるのではなく、必要最小限の堅木で補修。なんだか愛おしく思える姿です。こうして手当てを繰り返して使い込まれる木の良さや、それを叶える日本建築の技術を誇りに思います。
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そしてそれを、静かに大切に守りたいと思うお寺さんや、ありがたく拝観するに日本人も誇りです。この日も参拝者を受け入れる穏やかなお坊さんの顔や、地域のボランティアガイドのおじいちゃん、ごみをきれいに持って帰るお花見の家族の姿がたくさん見れました。京都や奈良のメジャーな寺院とはまた違う地方の静かなお寺。雅な空気もすごくここちよくて、ああ日本人でよかったな~と思う調査となりました。

by morizo-archi | 2018-04-02 12:55 | 欧州調査レポート(日本比較含む) | Comments(0)

建築設計室Morizo- 設計士の目線で暮らしや空間のあれこれを発信します。


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