トイレを考える機会に恵まれ、ショールムで車いす体験をさせてもらった。
トイレを改装するに当たり車いすの人も使えるようにしたいなぁ。
といった場合。
店舗で不特定多数の人が使うトイレは何処まで装備するべきかなぁ。
と言った場合。
既存の壁や柱が動かせず理想の寸法はなかなか確保できないなぁ。
と言った場合。
何を優先させるか、工事期間や予算のこともある。
それぞれの物件にはそれぞれの思いや事情がある。
マニュアルに当てはまらない時にこそデザインの意味がある。
見た目という意味じゃなくてどう考えるかを考えるっていう意味で。
自分で検証してみたいって思った。
車椅子が使える限界ってどのくらいか。どんな感じか。
いくら机上で調べても理想的な寸法ばかりしかヒットしない。
これは私の検索能力の問題か、、、、。
既存住宅や小規模施設など実際にそうもいかないことって多々あるけど、その事例はあんまり探せない。。。。
本町のTOTOテクニカルセンター。
でも、コンパクト車いすでも結構あちこちぶつかりながらやっと回転出る感じ。これは私の運転技術の問題か、、、。
次に小便器を残したいという要望に応えるバージョンのプランでも試してみる。

このレイアウトなら女性、男性、車いすの方、三方ヨシでは!?と思ってたけど、、、、検証の結果、頑張ればトイレ内で回転出来るけど、しにくい。そして大便器への横からの移乗が困難で小便器に車いすが当たってしまう。ゆえに前面からの移乗スタイルの方に使用が限定されてしまう。
さらに、女性スタッフの方が、「大便器の真横に小便器があるのはちょっと、、、、問う声が結構あります。」と小声で教えてくれた。確かに。
男性スタッフの方は、「小便器は男性にとってあった方がいいのは良いけど、なくても可能。でも車いすの人にとってはそのスペースが必要でそっちの方が大事。」
とおっしゃった。確かに。
いろんな人のいろんな視点はすごく参考になる。
そして実際に体験してわかることって多い。行ってよかった。
それと、普段ごく自然にしてる「ドアを開ける、鍵を閉める、脱衣する、用を足す、洗浄する、手を洗う、、、、」って一連の動作は意外と多く、車いすだと一苦労。
更に障害があるととっても大変。それを介助する人も大変ってことか、、、。
このほかにもこのテクニカルセンターには子供から高齢者までいろんな用途に応じたトイレブースの展示があって興味津々。
改めて、、、、トイレって超必須空間にして超プライベート空間。
それぞれの事情に対応するにはそれぞれの事情をよく研究しないといけない。
障害のある方、高齢の方、子供、性別の悩みを持つ方、、、、
日本でもAll gender対応という考えが広まりつつあって、誰でも入りやすいようなピクトの提案や施設内でのトイレのゾーニングアドバイスなどもされてるとか。
日本を代表する衛生機器メーカーTOTOさん。さすがいろんな視点で研究をされている。勉強になる~。
時代が進んで少しずつでもみんなが生きやすい世の中になって行ってる気がしてなんかうれしくなった。
これからは高齢者の方も増えていくし、さらに多様化が進むと思う。
使い手やオーナー側からの要望も多岐にわたっていくと思う。
新しいことを知るのは面白い。でもその分設計士は永遠に勉強をし続けないと~~~~。